俺たちは会津藩お預かりだ───と続けたあと、眉間をグッと今まで以上に寄せて声を荒げた。
「朝廷にあっさり政権を譲り渡した腰抜け徳川をここに連れて来やがれってんだ!!!」
だれもが、認めることができていない。
ずっと徳川幕府に忠誠を誓いつづけてきた男たちは、尚更この状況を受け入れることなど。
政権を譲り渡したなら、どうしてまだ戦は続いているんだ。
これはもう徳川は両手を上げたということじゃないのか。
上に立つ者は逃げ腰だというのに、なぜ下につくものは最後まで戦おうとしているんだ。
それは結果として見て、無駄死にじゃないのか。
最初から負け戦ではないのか。
だれが、なにが───…この戦を終わらせるんだろう。
「…土方副長、事をおさめてくださり感謝します」
門の前に立っている男たちが見慣れた顔と浅葱色だけになると、只三郎は頭を下げた。
そんな姿もさすがに驚いてしまう。
けど今はもう、そんな小さなことで意地の張り合いをしている暇なんてない。



