硬くて冷たいご飯を出してきて、水を頭から被せて、なにか口答えしたときには棒で身体中を叩いてくる。
そんな、かつての誰かが。
「───てめえら誰ひとりその場を動くんじゃねえ!!!」
ピタリ、
門が見えてきたところで動きは止まった。
それだけで戦を止めることができるんじゃないかと錯覚してしまいそうになるほど、よく通る声だ。
「…今すぐ刀ぁしまいやがれ」
へーすけ、……じゃない。
久しぶりに見た本物は、今日の青空なんかよりもずっとずっと綺麗だった。
「貴様ら新撰組か…!?なんの用だ!!」
「それは俺たちのセリフなんだよ。こんな荒れ狂ってるときに何の用だ」
おとーふの人だ…。
その隣には石みたいな人もいる…。
そのまたうしろ、ぞろぞろと背中に続くのは、同じ色を羽織った何人もの男たち。
あっという間に尾張藩よりも倍の人数が揃ったことで、奴らは一歩だけ足を引かせた。
「わ、我々はこいつらが匿っている娘を捕縛しに来ただけだ…!!」
「…捕縛?」
「ああ、ここに居るはずなのだ。存在してはならぬ化け物がな…!!」



