奈落の果てで、笑った君を。





「のすけ?」


「え、なんでそこ取るの?初めてなんだけど、早乃助の“のすけ”の部分を切り取られたの」



だって、変だから。

ずっとずっと変だから、桂の笑顔。



「…俺、怖いのかも」


「え…?」


「今が壊れてくのが……怖いのかも。どんどん変わっていく世の中が……怖いのかも」



桂……?

本当に、ほんとうに、桂なんだよね…?


最近はずっとずっと、こんなふうにみんなの見たことない表情ばかりを目にする。


それはすべて追い詰まってしまっているような、いつか消えてしまうんじゃないかって思うものだ。



「いだだだだ…!!なにっ、そんな馬鹿力どっから出てくんだよクソガキ!!」



ぎゅううううっと抱きしめ返した。

今あるぜんぶの力で、言葉にできない気持ちを届けたかったから。



「桂、だいじょーぶっ!わたしは変わらないから!!」


「………」


「わたしっ、ずっとずっと変わらない!」



どんなに周りが変わっちゃっても、わたしだけは変わらずこのまま居る。

だから辛くなったら、苦しくなったら、わたしを見ればいい。


みんなとは違う自分の身体を、わたしは利用することにした。



「……俺さー、枝豆にもたまにこういうことするんだよ」


「へ?」