奈落の果てで、笑った君を。





「必要だから集めたのですよ。なにがあるか分からないのが実戦の怖さだよ、尚晴」


「……わかり…ました」



どうして今、この京にいるんだ。

俺は忠告したはずだ。
確実にいつか殺される、と。


わかっていた、こうなるのは時間の問題ということだけは。


薩摩と長州の結合だけでなく、まさか本当に幕府から政権を朝廷へ返してしまうなどとは。

そうしてしまった仲介者であるあなたの名前を、この京で知らない人間などいないのだから。


こうなることなど、わかっていた。



「あの…、このことは新撰組は知っているのですか…?」


「これは私たち見廻組の手柄にする。それだけです」



これが佐々木 只三郎だ。

この男が見廻組の与頭、佐々木 只三郎なのだ。



「…迷いがあるのかい、尚晴」


「……、…いえ」


「それでは、よろしく頼むよ」


「……はい」



迷いでしかなかった。

確かに幕府の下につく見廻組からすれば、これほどない役目だとしても。


俺は、俺からすれば、友を暗殺しろという命令をされているのだ。