奈落の果てで、笑った君を。

尚晴side




「ここに集まった者たちで、坂本 龍馬暗殺を決行します」



与頭である男、佐々木 只三郎が呼び出したのは。


今井 信郎と桂 早乃助から始まって、幹部が他に2名。

そして俺、平隊士である最年少の忽那 尚晴だった。



「坂本はちょうど今、同じく土佐を脱藩した中岡 慎太郎(なかおか しんたろう)と、用心棒である山田 藤吉(やまだ とうきち)を連れて京に出向いているとの情報が入っています。
今晩、四条にある近江屋(おうみや)という店に立ち寄るとのこと」



そこはシャモ鍋がうまいらしい───と、空気を少しでも和らげたつもりなのだろうか。


まったく、これほどにも揺るがない。

それどころか油断すれば吐き気に変わってしまいそうで、俺は手に汗を握りながら歯を噛んでいた。



「…すみません佐々木さん。ここに…、俺は必要でしょうか」



気づけば言っていた。


佐々木さん、今井さん、早乃助さん、見廻組を代表する男がふたり。

ここまでの腕が揃っていれば、俺の役目など要らないんじゃないか。