奈落の果てで、笑った君を。





「迷ったの!!ニジョに案内してくれる?」


「…なあ、その当たり前のように言ってくんのやめてくんね?それでまた風車まで買わせんだろ、どーせ」


「ううんっ、風車は前のやつ大切にしてるから大丈夫っ!」



ニカッと笑うと、諦めてくれるのもへーすけだ。

そして今日はへーすけひとりじゃないみたいで。



「……はあ。斎藤くん、見て分かるとおり悪いヤツじゃねーからこいつ」


「…この者は見廻組の仲間だろう」


「え、知ってんの?」


「ああ。家茂公が上洛した日、新撰組と見廻組の斬り合いを止めた存在だ」


「はっ!?こいつそんなスゲーことしてたのかよ!?」



あ、このサイトウって人…。
あのとき桂と不仲そうにしていた人だ。

でも違和感があった。


それは、いつもの空色の羽織を着ていなかったから。



「へーすけ、あの羽織は?」


「あー…、オレたちもう新撰組じゃねーから」


「え、どうして?」



新撰組じゃない…?
じゃあもうあの羽織は着ないの…?

へーすけ、すごく似合ってたのに。