奈落の果てで、笑った君を。





誰かがわたしの近くで笑っている。

重いまぶたを開けるには、まだちょっとだけ気力が足りないかも…。



「忽那くん、…おや、桂くんも居たんだね」


「あ、もしかしてノブちゃんも?」


「はは…、朱花には悪いことをしてしまったなあ」



今度は誰かの優しい声。

ぽかぽかする。
みんながわたしを囲んでいるみたい。



「えっ、佐々木さんまで?」


「…ええ。少し厳しいことを言い過ぎてしまいました」



さらっと、髪が撫でられる。

これは夢でも見ているのかもしれない。


尚晴、桂、ノブちゃん、只三郎。

みんなが揃ってわたしのことを気にかけてくれている、そんな夢。



「あのー、実は俺もで…」


「俺もなんだ。忽那、これ朱花に明日の朝やっといてくれ」


「あっ、俺も俺も!櫛(くし)なんだけど、朱花に」


「はははっ。ほとんど全員集合とか、見廻組マジ情けねえーーー」



本当は、毎夜のようにこんな日々が訪れているんだと。