奈落の果てで、笑った君を。





どうしてそんなに優しい顔をしてるの?

すりっと頬を寄せてみると、もっと引き寄せられる。



「俺もなるべく時間を作るようにする。そのときは一緒に散歩に行こう」


「……うん」



うとうと、ぽーーー。

尚晴のお膝のなかは、ものすごくわたしの意識を消しにかかってくる何かが住んでいる。



「しょうせい、もっと強く……ぎゅって…」



はあっと、熱い吐息がすぐそばから。

布団よりもずっとずっと温かい腕のなか。



「わたしのこと、すきって言って……?」


「…好きだ」


「もっと…、しょうせ…」


「……頼むから…煽るな」


「あお…る…?」



どうしよう、眠たい。

10秒も数えないうちに寝てしまいそう。



「はーー、……生殺しすぎる」



その言葉を最後に、わたしのまぶたはすうっと閉じた。



「ごめん、朱花いる?」


「…どうかしたんですか早乃助さん」


「いや、今日ちょっとキツく当たっちゃったような気がしてさー。って、これ寝てんのかい」


「はい」


「…気ぃ抜けるわーー。ほんとごめんよ朱花。……これか折り紙って。おー、よくできてる」