奈落の果てで、笑った君を。





「俺は…いろいろ順序に習って、事を進めたいと思っている」


「じゅんじょ…」


「武士ならば嫁入り前の娘には手を出すべきではない。決して」


「うん…?」



じゃあこれは…どういうこと?



「だが教えて欲しいと言われたなら教えるのも…、男の務めだと……思う」


「しょうせ───わっ、!!」



男と女は、力の差が大きくある。

着物がそれぞれ男用と女用で分かれているのは、背だって体つきだってぜんぜん違うからだ。


だからわたしも、尚晴の強めの力に腕を引き剥がされてしまえば。


隠していた胸元は仄かな明かりに照らされる。



「───…」


「や、や、離して尚晴っ」


「………」



布団に縫い付けられてしまった両手。

覆い被さるふたつの目は、しっかりと瞳孔を開くほどに擬視。


わたしの素肌のみとなった上半身を見下ろしている尚晴は、小さなことすら見落とさぬと言わんばかりの気合いが溢れていた。