奈落の果てで、笑った君を。





「え?」



そうは許してくれないみたいに、わたしに覆い被さってくる。

行灯がほんのりと灯してくれる室内は、尚晴の顔をハッキリと見せてくれるまでの明るさは無い。



「……やさしく、する」


「わっ…、え…、尚晴…?」



襦袢の帯がほどかれた。

重なっていた襟も、サラッと崩れてしまう。



「お風呂は入ったばかりだよ?」


「…ああ。入らないほうが良かったな」


「え?でも今日いろいろあって汗いっぱいかいたから!」


「…逆にそのほうが俺は良かった」


「……どう、して??」



べたべたするよ?

とくに夏なんかはお風呂に入らないと寝られないくらいだった。



「やっ、はずかしい…!」



まさか本当に襦袢が脱がされるとは思っていなく、解放感でしかない上半身を咄嗟に両腕を交差させてまで隠した。



「……恥ずかしいと、思うのか」



苦しそうにしつつもつぶやいた尚晴は、どういうわけか嬉しそうだった。

しかし瞬く間に覚悟を宿したように言ってくる。