「朱花、湯冷めしないか?」
「へーきっ」
縁側でぼうっと夜風に当たっていると、湯上がりの尚晴が背中から声をかけてきた。
平気だと言ったのにパサリと肩にかけてくれる羽織。
「空の色の目って、すごいねえ」
「…ああ」
「いつでも青空が見られるってことだね!」
「そう…だな」
リョーマから聞いた話を思い出すだけで、わたしの胸は今も興奮状態だった。
わたしが知らない世界はまだまだたくさんあるんだ。
もしかするとわたしの身体は、それをぜんぶ知るための贈り物なのかもしれない。
「あとは小判色の髪の毛だって!」
肌が黒い人もいると言ってたっけ!
自分の目の色、肌の色が当たり前だと思っていたけれど、そうではないこと。
「でも俺は、お前の目と髪の色が好きだ」
「尚晴も同じだよ?この町にいる人もみんな!」
「…そうなのだが、そうではなく…。朱花だからというか、その…」
「ふふっ」



