「死ぬと石になっちゃうの?」
「…そういうわけでもないが、ここには俺の先祖が眠っていて……そうだな、石になる」
墓の前、腰を下ろして両手を合わせた俺をじっと見つめた朱花は、見よう見真似で同じようにした。
「じゃあ尚晴のお兄さんはここからいつも見てるんだね!」
「…ああ」
「こんにちは!わたし朱花っていうの!」
墓参りとは言えない張り切り具合で、少女は俺の兄さんに挨拶。
やはり連れてきて正解だった。
ハツネとのことが破談になり父さんにもまた失望されたかと思っていたが、それを和らげてくれたのも朱花だ。
そして俺たちは墓をあとにし、次の目的地へと。
「山が近いねえ!」
「朱花、あれを見てみろ」
「わーーっ!!すごい!」
あたり一面の高原に広がる、ススキ。
この季節に里帰りした理由のひとつとして、これがあった。
「あははっ!埋もれちゃうよ尚晴!!」
全身で幸せを感じる姿は、いつ見たとしても泣きそうになる。
すべてを知ったとき、俺はただ朱花のことを抱きしめたくてたまらなくなった。



