奈落の果てで、笑った君を。





かすていらだけじゃなく、お団子やお饅頭。

夕飯が食べられないんじゃないかってくらい、おばさんもおじさんも次から次に出してくれる。



「尚晴は見廻組ではどう?ちゃんとやれているかしら」


「うんっ!只三郎やノブちゃん、桂もいてね、いっぱい仲間がいて楽しくやってるよ!」


「…そう。昔っから無愛想なところがあったから心配してたのよ~。でも、朱花ちゃんが居てくれてよかった」


「これからもずっと一緒なの!」



尚晴のお父さんとお母さんは、わたしのことはあまり聞かなかった。

聞かれたなら答えようと思っていたし、それでどう思われるかの反応も見たかった。


でも、なにも聞かれなかった。



「ふふ。いつかこのお家に来てもいいのよ~?」


「うんっ」


「こんなに可愛くて素直な子、尚晴には勿体ない気もするわ~」


「……俺もそれは思う」



ここが尚晴の生まれたお家。

このお母さんとお父さんから尚晴は生まれたんだ。


わたしのお母さんとお父さんは、わたしのことを居ない存在として扱い、そして今はもうとっくに死んでいる。


これが、家族───…。