奈落の果てで、笑った君を。





そこまで言って思い出したのか、また笑いながらお酒を口に含んだ桂。

とりあえずわたしはお腹が空いたため、さっきのことは考えないようにおせち料理というものを楽しんだ。


そして、目が覚めた尚晴は。



「切腹します」


「ちょっ、ちょちょちょっ、忽那くん…!落ち着くんだ忽那くん…!!」



ぜんぶ忘れちゃってたみたいだけど、桂 早乃助からすべてを話されてからの決断は早かったという。



「自決します。朱花をよろしくお願いします」


「まあまあ早まるなって尚晴。この子猫ちゃんだってそんなこと望んじゃいないよ」


「……いっそ殺してください俺を」


「そんなことしたら子猫ちゃんがもっと悲しむだけじゃないか。
見なよこの寝顔。可愛すぎて食べちゃいたくなるだろ?」


「…なら俺がお前を斬る」


「ごめんって。からかいすぎたって」



そのときわたしは美味しいものをたくさん食べて、はしゃぎ疲れて眠ってしまっていたみたいで。


起きたとき、いつもどおりの尚晴が深々と土下座していたお正月───。