パチリパチリと囲炉裏から上がる火の粉。
ぼうっと見つめていると、大きなお城を出てきた日のことを思い出す。
「早乃助さん、これ朱花に掛けてやってください」
「はーい」
肩に掛けられた羽織。
このまま眠っていいよ、なんて言われたみたいに温かい。
「まだ……、おき、てる」
「ねーんねーん、ころーりーよー」
「───…」
「はっや。秒で寝ちゃったよ」
年が終わって、年が始まる瞬間を見るの。
寝ない、起きてる。
そう思う心とは裏腹に、すうっと意識が途絶えてゆく。
「早乃助、どうやら薩摩と長州が同盟を結ぶ方向で固まっているみたいですね」
「…ほんと、びっくりですよもう。あのふたつが本当に和解しちゃうなんて」
「佐々木さん、幕府はこれからどうなっていくんでしょうか…」
「…もし薩摩と長州が一緒になって攻め入ってきたなら、苦しいことになるでしょうね。
そして本当に政権まで返された場合は……私たちも終わるかもしれない」



