奈落の果てで、笑った君を。





「すみませんねえ、お楽しみのところ。ほんと申し訳ない。こいつってば馬と鹿の組み合わせでして。
ええ、ええ、まあ世間では馬鹿って言うんですけども」



ははは、はははは、と。

この場の乗り切り方は笑っておく以外は無いのだと、笑顔を張り付けた仲間から悟る。


そんな俺は朱花の腕を引いて部屋をまず退散し、そのあとしばらくして内情を収めた早乃助さんがくたびれた様子で戻ってきたあと。


彼は朱花の頭をガシッと掴み、無理やりにも上を向かせた。



「なにしてんの、なにこれ。厠に行こうとしたことは譲るよせめて。
そりゃ人間だもの、仕方ない。だとしてもどういうことなんだよおい」


「部屋まちがえた!!」


「間違えすぎてんだよ!!?!?」



なんとも朱花らしい。

身体をまぐわせようと衣服を脱いだ男女を前にしても、恥じらいを感じることなく好奇心だと。


それからは桂 早乃助の長い説教を受けながらも、少女は心底楽しそうだった。


そうして俺たちは遊郭に通いつめる男から見ればまったく素人な遊び方で、加木屋を出た。