俺たちの任務は、まだ完了とは言えない。
この国を変えてしまうかもしれない、とてつもなく大きなことを目論んでいるのは分かったが、主犯格を暴くまでが任務内容だ。
……誰なんだ、そいつは。
「───坂本 龍馬(さかもと りょうま)ってんだけどな」
はっきりと聞こえた名前。
ドクンと、俺のなかで何かが騒ぎ立てる。
「日本を洗濯するとか言っててよ、おもしれェやつなんだ」
世の中は、狭すぎる。
こんなところで簡単に繋がってしまうとは。
気合いと根性、そして諦めない心。
それさえあれば政権交代も夢じゃないというのか。
「……忘れてた。クソすぎるガキだってこと、忘れてた」
「…だから言ったじゃないですか俺は」
「え、言った?言ってはないだろう?」
蕪木から十分すぎるほどの情報を盗み、部屋へ戻ったとき。
いるはずの少女がすっかりと姿を消していた。
すぐに俺はそばに座っていた芸者に近寄り、焦りから女の肩を掴む。
「俺たちの仲間はどこへ行った」
「か、厠(かわや)へ行きたいと…言うてはりました…」
「厠…、」



