奈落の果てで、笑った君を。





外と同じようにきらびやかな光で彩られた店内など初めて見た。

赤と黒の組み合わせは、なんとも男の気分を狂わせてくる。



「ははは。尚晴、それって比喩的なものかい。確かに男にとっては美味しいもので溢れてるもんねえ」


「………」



こんなものは返事をするだけ無駄だ、負けだ。

大人しめの芸者がふたり、小さく食事を楽しむ俺たちを舞いで喜ばせてくれている。


退屈だな……と思ってしまった俺は、きっとこういう場所は向いていない。



「尚晴尚晴、でもね、お布団が敷いてあるお部屋があったよ」


「………」


「おーっと尚晴くん、ここでまたもや言葉に詰まったーーー」



なんだその実況。

だったら逆にお前ならどう説明するんだと、目だけで5歳年上の男へ生意気に聞いてみる。



「前に俺の部屋でとある冊子を見ただろう朱花。そこではあんなことをしているんだよ」



俺の部屋…?

とある冊子…?