奈落の果てで、笑った君を。





「すみません。実はちょっと今、任務中でして」



口元に人差し指を当て、コソッと言う早乃助さん。



「任務だと…?」


「ええ。これも仕事の作法なんですよ」


「どこの使いだ!そうやって我々を騙す気であろう!!」


「…新撰組、って言うんですけどね?ご存知だったりします?」



ハッと開いた男たちの目。

いや、目だけでなく少し腰も引いたか。


そして眉を寄せては「新撰組、だと…?」と、繰り返す。



「はい。歯向かう者は誰だとしても容赦なく切り捨てる新撰組なんですよ。…ねえ?」


「ひっ…!!」


「命が惜しいのなら見なかったことに。…よろしくお願いしますね」


「っ…、わ、わかった」



背中を向けられていたため、桂 早乃助がどれほど鋭い眼光を向けているかは不明だった。

だが、声だけでわかる。
完全に人を斬るときの男の声だ。


なんとかつまみ出されずには済んだものの、いろんな不安が残った。