奈落の果てで、笑った君を。





「びょうぶは?」


「え、やっぱ必要?俺ぜんぜん余裕で必要ないと誓えるんだけどー」


「尚晴はいつもしてた!でもわたしはいらないって言ってたよ」


「あー、うん、あの堅物ど真面目くんはね。ほら狭くなるだろう?やめよう俺たちは」


「うんっ」



一緒に連れてきた風車。

布団のうえに横になりながら、ふー、ふーっと、くるくる回す。



「桂っ、かざぐるま!」


「はいはい。面白い面白い」



竹で作られた持ち手を握って、朱色の和紙で形作られた車を回す。

だいぶ息の調節も一人前になり、そろそろ止まりそう…なんて頃合いに吹きかける作法を覚えた。



「───…かわいいねえ」



そんなわたしを隣で頬づえをつきながらじーっと見つめていた桂から、聞こえた声。



「かわいい?」


「……は?え…、はい?………俺いま、なんて…?」


「かわいいって言った!この風車が可愛いって!」


「そっ、そーだよ。その風車がすっごい可愛いなーって。……なあクソガキ!!」


「うんっ」