奈落の果てで、笑った君を。





「…朱花はへーきなの?」


「うん!桂がいるから!」


「……おいおい、急に変な伏線張るのやめたほうがいいって。まあでも…しっかたない。
…あ、やっぱちょっと待って。男のひとり部屋ってのはいろいろ隠さなきゃいけないものが───、って!!」


「桂、これなんで女の人と男の人が裸になって重なってるの?変なとこ合わせてるよ」


「ほら出たクソガキ!!あーもう言ってるそばから…!!これ貰い物だから!
決して俺の趣味とかじゃないからそこ勘違いしないよーにね!?」



たまたま拾ってパラパラとめくっていた冊子が勢いよく取り上げられてしまった。

汗を拭った桂は、押し入れの奥へ放り投げるようにして永久封印。



「今のなに?変なことしてた!」


「まだ早いんだよ3歳児には。教えたところで変わってほしくないし、そんなことしたら俺はたぶん誰かに殺されるね」


「そうなの?桂もいろいろ大変なんだねえ」


「………なんだこいつ」



その日の夜は尚晴のときのように布団をふたつ並べて、けれど仕切りは挟まれなかった。