奈落の果てで、笑った君を。





そして尚晴もピリピリしていた。


イイナズケの女の子をこんなふうに怒っちゃダメなんじゃないの…?

それもこれも、わたしが尚晴と一緒の部屋で生活してるから…?


これからもずっと一緒にいるふたりを、わたしのせいで離ればなれにしちゃう…?



「わたし、他の部屋に行く!」


「は…?朱花、」


「ハッちゃん、それで元気になる…?」


「っ…、…うん」



布団を持って、着替えを持って、風車を持って。

尚晴と一緒に作った折り紙を持って、トコトコ部屋を出た。


わたしが尚晴と同じ部屋で生活しなくとも、尚晴に会えなくなるわけじゃない。

ここで暮らしているのだから、毎日のように顔を見ることができる。


だからわたしからすれば、こんなことは容易いご用というものだった。



「で、はあ?なぁんで俺の部屋なの」


「今日からこんにちは」


「やめてくださーい、ぜったいうるさいでーす。眠れませーん」


「あのね、ハッちゃんが悲しい顔をするの」



それに尚晴も。

だからまたおはげを作ってあげなくちゃ。