奈落の果てで、笑った君を。





「え…、尚晴様と朱花ちゃんは同室、なのですか…?」



それからハッちゃんが屯所に慣れてきた頃。

わたしが当たり前のように自室へ入っていく様子をたまたま目にした彼女は、どうしてか固まってしまった。



「うん!いつも一緒なの!」


「…ここは部屋数も少ないからな」


「で、ですが…、若い男女ふたりが同じ部屋で寝るなどというのは…」



ありえない…、なんて目で見てくる。

よく分からないわたしは「どうして?」と聞いてしまった。



「しょっ、尚晴様は私の許嫁なんだよ…!?」


「おい、ハツネ」


「朱花ちゃんはいつもいつも私を馬鹿にしているの…!?」



この子は、意外とたくさん怒る。

そして思ったより声を大きく出して、わたしのことを“あの目”に似たもので見てくる。


そう───…化け物の子と見る、かつての目。



「してないよ?わたし、ハッちゃんのことすき!」


「っ、馴れ馴れしくハッちゃんだなんて───」


「ハツネ!!!」


「っ…、」