奈落の果てで、笑った君を。





「じゃあ尚晴とハッちゃんは、いつかメオトになるの?」


「そうだね。…羨ましい?」


「うーん、よくわからない…。でも尚晴がずっとひとりじゃないなら嬉しい!」


「あー、そうなるんだ朱花の場合。なるほどね」



そんなことを話していれば、いつの間にか尚晴とハッちゃんは消えていた。

追いかけるようにわたしが場所を離れようとしなかったのは、桂に教えられたことをやっと理解したから。



「桂、前に言ってた。人のものは取っちゃダメって。尚晴はハッちゃんのものだから、わたし我慢する!」


「…苦しくはない?」


「うん!わたしは尚晴がいるだけで嬉しいから!」


「…そうかいそうかい。はーー、こりゃ尚晴も惚れるわけだわ」


「ほれる?なにが掘れるの?ここ掘る?」


「なんでもありませーん。勝手に掘ってな」



ぽんぽんと、頭が撫でられた。

もっと撫でていいよ!なんて言うと、「いやでーす」と意地悪に返ってくる。