奈落の果てで、笑った君を。





夏という季節は恨みたくなる暑さだと、男たちは言っていたけれど。


わたしはそれだけじゃないと毎日ワクワクした。


朝も昼も夜も、ミーンミーンと聞こえるセミの鳴き声。

照り輝く太陽の下、水しぶきが上がった瞬間のキラキラした雫。

これはあまりするなと止められているけど、そんな日に入る川は格段と最高なのだ。


────まだ暑さの抜けない今日、屯所に新しい顔があった。



「こちら、本日から女中として見廻組を支えてくださることになったハツネさんです」


「ハツネと申します。皆様のお役に立てるよう一生懸命がんばりますので、よろしくお願い致します」


「どうやら尚晴とは親睦が深いみたいだね」


「はい。…許嫁でございます」



わあっと、いろんな意味で男たちが声を放った。

朝食を食べ終わって広間に集まった全員の前、丁寧に頭を下げる女の子は。



「あっ!前のひと!」


「朱花も知り合いなのかい?歳も近いと思うから仲良くできるといいね」