奈落の果てで、笑った君を。





わたしの姿を確認すると、暗闇のなかでも柔らかく溶けた眼差しが見えた。

そんなものにまたドキンと跳ねて、それ以上に幸せが胸いっぱいに占領する。



「尚晴…!」


「よかった。具合はどう───、っ!スイカ…!朱花っ、スイカが落ちる…!」


「尚晴っ!!」



飛びつくように抱きついたわたしを、体勢を崩しながらも受け止めてくれる。

手からぽーんとスイカが離れたけれど、見守っていた男たちが見事に掴みとった。



「な、なっ、ちょ、」


「あのねっ、わたしコイワズライしてるの!尚晴に!」


「…は?え、待ってくれ、なにが…だ、」


「だからねっ、尚晴のことがいちばんだいすき!!」


「………。……っ!?!?」



こんな尚晴を見たのは初めてだった。

いつもは無表情なことのほうが多いのに、今日はちょっとだけ可愛い。


ハナビは、男たちの笑顔と、真っ赤な尚晴の顔を映し出した───。