奈落の果てで、笑った君を。





「石みたい!!」



まっすぐ指をさして、言う。

その先には只三郎と向かい合っていたキョクチョーという男。



「こっちはおとーふ!」



そのまま今度は隣に立つ、白い肌をした鬼さんへと。

寄った眉間のシワをぐりぐりしたらどんな反応をするんだろう…なんて思った。



「…近藤さんが石っつうのは認めるが、誰が豆腐だコラ」


「おいトシ!?俺のほうも否定してくれ…!」


「石ってより岩だろ、岩。俺も初めて見たときは動きやがったことにまず驚いた」


「だからトシぃ!?」



あははっ!と、笑顔を見せる。

今の今まで広がっていた重苦しい空気は、やんわりと空へ溶けた。



「あのね、石は踏むと痛くて、おとーふはオミソを乗っけて食べると美味しいよ!」



するとクスクスと、薄青色の行列のなかから柔らかく届いてくる。

それにつられたように豪快に口を開けて笑ったのは石みたいなひと。