桂 早乃助が笑顔で言うと、髪の長いほうが舌打ちをしながら答える。
ひじかたと、こんどう…?
ひじかた、ひじかた……。
「あっ!鬼!」
「…あ?」
「へーすけが言ってたの!約束を破ったらせっぷくさせて、骨まで残さないとんでもねえ人だって!」
わたしだけが浮いていた。
わたしだけが笑顔で、わたしだけが揚々としている。
「あんの野郎…、どんな説明してんだよ」と、ここでも舌打ちのひじかた。
そして今度彼が見つめたのは、聡明と立つ与頭でもある佐々木 只三郎だった。
「んな危ねえ場所にガキ連れてくるたあ、俺たちのほうがまだマシだぜ。なあ佐々木」
「…ここは間に合っていますよ。幕府から命を受けたのは我々見廻組です。どうぞ君たちにはお帰り願いたい」
「俺たちは会津(あいづ)藩主でもある京都守護職、松平 容保(まつだいら かたもり)公から直々に命が下った」
そう言って、伝達状が出された。
「…そんな話、聞いてはいませんが」
「なるほど。てめえら正規部隊には知らされてない、と」



