奈落の果てで、笑った君を。





けれど、わたしが求めていた人物ではなく、先頭に立った男たちの前に阻んでからふと、首を傾げる。



「…あれ?へーすけは?」


「……誰だお前は」


「あすか!」


「…存じ上げねえな」



棘(とげ)みたいな目の人だ…。

長い黒髪はひとつに結われ、その顔から低い声が出てくることがちょっぴり面白い。



「君は平助のお友達かい?」


「あのね、風車!買ってもらったの!」


「なんとそれはいい!だが今日は平助はここに居ないんだ。すまないな」


「…そう…なんだ」



こっちは口が大きすぎる人…。

でも、わたしの目線に合わせてくれて、悪い人間が持つ独特な空気感は一切と言っていいほど感じなかった。


と、わたしの背中に立って腕を引いたのは尚晴。


そして只三郎と桂が前に出た。



「これはこれは新撰組の土方さんと近藤さんではありませんか。
本日はどのようなご用件で?もしかして俺たちの真似事をしながら見学か何かですかね」


「…チッ、相変わらず皮肉な野郎どもだな。俺たちも大宮口の警備を頼まれた」