「ハツネちゃんだろ?少なくとも君の許嫁だよ?というより、わざわざ女から来てもらっておいて顔すら合わせず断るってのはひどいでしょー」
「…勝手に来られて迷惑なのは俺ですから」
「うわあ、それは刀を持つ男として情けなさすぎやしないかい尚晴」
新撰組に行ったほうがいいんじゃないの?と、それは見廻組である俺に対する最大な皮肉だった。
だとしてもどうしてこんなに朝早くから来るんだ。
せめて正午を過ぎてから、いやそれ前に手紙を送ってきたのならそこに書いておくべきじゃないのか。
「相手が年下の女の子なら尚更。男なんだからさ、少しくらいの器(うつわ)は持つべきだと俺は思うけどねー」
「………」
「でかいのはアレだけってこと?はははっ、それもそれでご立派な───…っ、あっっちいッ!!!」
俺は湯飲みに入っていた中身を、パシャッと早乃助さんに浴びせた。
そこまで熱湯というわけではない。
最初に注がれたままの茶だ、少しは冷めているはず。



