奈落の果てで、笑った君を。





「あちっ、あつい!ふーっ、ふーっ」



個人個人だった朝食の風景も、いつからか集団で同じ時間帯に取るようになった。



「このしょっぱいのおいしい!ご飯と合うね!!おかわりっ!あっ、今日は白いふわふわはないの?ノブちゃん!」


「豆腐はお味噌汁に入っているよ」


「汁!あちちっ、ふー、ふーっ」


「……朱花ってほんと忙しいよねー。って、それ俺の漬物だよクソガキ!!」



などと言っている早乃助さんだが、必ずや無意識にも朱花の隣に腰を下ろす。

だからそうなったのは自業自得だ。



「いいかい?人のものを取ってはいけません。はいこれ、君の教訓にするよーに」


「うん、わかった!」


「わかってる?本当に、わかってる?じゃあどうして俺の漬物を今もポリポリ食べていらっしゃるのかなー」


「おいしいから!」


「……はあ。いいよもう、負けた負けた。完敗でーす」



という風景を説明する言葉など必要ない。

穏やかに座っては行儀正しく丁寧に食事を取る与頭の表情そのものが、すべてを物語っていた。