活躍を願ってくれるならば、こちらを優先させてほしい。
結局は“どうして会ってくれないんだ”、“寂しいから会いに来てくれ”と、わがままを言われたようなもの。
「…お前は何も感じなかったのか」
屏風をそっとずらし、隣に眠る少女の寝顔に手を伸ばす。
藤堂 平助に同じような笑顔を向ける朱花を見たとき、俺は胸の底が気持ち悪かった。
いつも、毎日、あいつに買ってもらった風車を大切そうにしている姿を目にすることだって。
本当は、嫌だ。
どうしてそんなに手放さない、どうしてそんなに嬉しそうな顔をする。
思えば思うほど、己のなかにある醜い感情が育ってゆく。
「んん…、───…しょう、せー?」
「…すまない。起こしてしまったな」
「…うう、ん。…ふふっ、やっぱり壁は無いほうがいいねっ」
こいつと出会ったのは俺だ。
こいつを助けたのは俺だ。
こいつを拾い、名前を付けたのは俺なんだ。
この娘は、俺のものだ。



