ココアに入っていた薬って、そういう薬だったのか……。恥ずかしくなり、あたしは昴さんから顔を逸らす。

「あのココアには、やっぱり入ってたんですね。味じゃわからなかったですけど」

「頑張ってココアのどこに薬が仕込まれているのか、探してくださいね。可愛い探偵さん」

背後から抱き締められ、互いの体温がまた伝わってくる。逃げ出したいけど、逃げられない。あたしは恥ずかしさに耐えながら、昴さんに抱き締められていた。

それからお家デートをするたびに、このココアの謎解きゲームは開催され、そのたびにあたしは薬を見抜くことができず、昴さんに甘え、ひたすら甘やかされる時間が増えていった。