「とりあえず、このFBI採用試験みたいに客観的に見て文にしてみよう!」

あたしはホットココアを飲んだ時の状況を思い出しながら、ルーズリーフに書いていった。



数日後、あたしはドキドキ高鳴る胸を抑え、昴さんのリビングに入る。昴さんは椅子に座ると、どこか期待したような目であたしを見た。

「可愛い探偵さん、謎は解けましたか?」

「もちろん解けました!……小説の中の探偵さんより、時間はかかってますけど」

あたしは少しでも探偵に見えるよう、顎に手を当てて昴さんの周りを移動しながら話し始める。

「薬はどこに入っていたのか。真っ先に考えられるのは、あらかじめあたしの使うグラスに塗られていたという説です。ですが、そんな簡単なオチではミステリーとしては味気ない。特に、小説家の先生なら尚更です。その時、あるヒントが降ってきました。それがこれです」

あたしはスマホの画面を昴さんに見せる。そこに映っていたのは、あの日見たFBI採用試験の問題。それを見せながらあたしは続ける。