【短編】悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。

「え、それならお断りします」
「えええ! なんで断るの!? お姉ちゃんには絶対アル様がお似合いだから!!」
「俺はユーリを妻にすると決めたんだ。なにがダメなのか言ってくれ!」

 なんということだろう。この兄妹は私を皇太子妃にしたいらしい。ていうか、中身は妹の皇女殿下に背後から撃たれまくっている。逃げ切れる自信はないけれど、ダラは譲れないのだ。皇太子妃なんてとんでもない。

「お兄様、絶対にお姉ちゃんは逃しませんわよ」
「当然だ。まずは住処をここに移そうか? ユーリ」
「ええー……それは大丈夫です。もう家に帰りますので。失礼します」
「待て。ユーリ、俺から逃げられると思うなよ?」

 それから逃げに逃げたけれど、結局フレッドに心惹かれてしまった。私の平穏なメリハリあるダラ生活を維持する条件として、週休二日を約束してもらいプロポーズにイエスと答えた。

 その後、フレッドに溺愛され、妹は最推しと結ばれた。
 途中、王太子がストーカーになったり、前世で手柄を横取りした後輩が聖女としてやってきたりと、いろんなハプニングはあったけれど楽しく幸せな時間を過ごしたのだった。

 お腹に宿る我が子が大きくなったら、いや、この子が大きくなるまでに、みんな誰かに愛されて生きるのだと教えたい。