もちろん相手がふたりだから、というのもある。このふたりなら話しても大丈夫だと思うことができたから、私は病気のことを包み隠さず打ち明けた。
きっと傷になってしまうだろうと、そういう躊躇は、いまだにあるけれど。
一方で、今は変に隠してしまう方がふたりを傷つけるとわかっている。
だから、ちゃんと話さなければならない。今の状態も、これからのことも。
ふたりはきっと、気にしているだろうから。
「──あのね、円香、かえちん」
私は広げていたノートの上にシャーペンを置いて、ゆっくりと切り出した。
試験勉強の準備をしていたふたりも、その神妙な空気を察したのか、手を止めて聞く体勢を取ってくれる。
ほんの少し顔が強張っているものの、聞かないという選択肢はないようだった。
「私、八月からまた入院するんだけど」
「検査のだよね? 前に言ってた……」
「うん、そう。でもたぶん、もう戻ってこられないと思うんだ」
ふたりがひゅっと息を詰めた。
心なしか青褪めながら、円香が胸の前で手を組んで俯く。
「退院できないってこと?」
「うん。先生に言われたんだ。……このまま病状が進行すれば、年は越せないかもしれないって。きっとそうだろうなって私も思ってたし、覚悟はしてたんだけどね」
「っ……!」
円香が瞬く間に眦に涙を溜めて、両手で口を覆った。
かえちんも聞いていられないといわんばかりに顔を背ける。
そんなふたりに曖昧な笑みを向けながら、私はそっと睫毛を伏せた。
「それに、さすがにもう私のわがままは終わりにしなきゃなとも思ったの」
「……わがまま?」



