モノクロに君が咲く


「っ……よけいな、お世話だよ」

「うん。でも、これは鈴からの言葉だから。弟の君へもお裾分けするべきものだと思うんだよね。みんなで生きて、鈴との約束、守らなくちゃ」

 俺は下手くそに笑いながら弟くんの頭を撫でて、ふたたび鈴の絵を見上げた。



 ──ねえ、鈴。


 もしもいつかまた出逢えたなら、俺はきっともう一度、君を好きになるよ。

 春が来るたび、桜が咲くたび、君を偲びながら。

 枯れない桜を抱きながら生き抜いた先で、どうか君が迎えてくれることを祈りながら、願いながら、俺はこの世界で懸命に生きていくと誓おう。

 だから、俺がまた君を見つけるまで、もう少しだけ待っていて。


 愛してる。

 ……俺の世界でいちばん、大切な人。



【完】