「ユイ先輩も、頑張ってますよ」 「っ……俺、は」 「そんな先輩に、私はこれ以上頑張れって言うことはできないですけど……先輩が頑張ってることは、きっとみんなわかってます。先輩が思っているよりもずっと、先輩のことを想っている人はたくさんいますからね」 そう告げるや否や、顔を上げて俺の手を取った鈴が、ちゅ、と指先に軽く口付けた。 びくりと肩を震わせた俺に、鈴は赤面しながらはにかむ。 「……まあ私がいちばん、大好きなんですけど」