◇
しばらくは気まずい雰囲気が流れていたものの、そこはやはりユイ先輩。
鑑賞コースもゴールに近づき、そろそろ最終エリアという頃には、もういつも通りに戻っていた。
このあたりはおもに小さな海洋生物が集められているらしい。
クマノミやエビ、タコなどの私でも知っているような生き物から、触ることも可能なネコザメまで、多種多様の生物が展示されていた。
そのうちのひとつ、天井を突き抜けるように設置された円柱型の水槽の前で立ち止まっていた私は、隣のユイ先輩を見上げながら告げる。
「先輩はクラゲみたいですよね」
クラゲ、海月。海の月。ユイ先輩そのものだ。
「……俺が?」
「はい。いつもゆらゆらふわふわしてて、どうも掴みきれないところとか」



