モノクロに君が咲く


 やがて喉の奥から絞り出すように零れ落ちたのは、また予想を反した言葉だった。

「本当、小鳥遊さんて……なんか真っ直ぐ、だよね」

「え?」

「それがすごく、眩しい。だから、いつも君の周りだけは──」

 先輩は途中で口を噤んだ。

 ゆらゆらと視線を彷徨わせたかと思えば、おずおずと私の手を取っておもむろに歩き出す。明らかに様子がおかしい。

「せ、先輩?」

「……あ、あまり遅くなってもいけないから。次、行こう」

 ──今、なんて言おうとしたんだろう。

 私の周りは、私は、ユイ先輩にどう見えているんだろう。

 忙しなく音を鳴らす心臓がやっぱり痛い。

 この痛みがなにから来る痛みなのか、私にはどうしても図りかねてしまう。

 けれど今は、不思議と追及したいとは思えなかった。