正体バラしたらキスするぞ?~悪魔と天使の溺愛は危険がいっぱい~

それにしても、相変わらず声が大きい先生。

堀江先生は私たちが中学1年生のときからの担任。

クラス替えがないこの学校は、担任も変わらない。

クラス運も担任運も、入学式の日に決まる……。

なんて言ったら失礼かもしれないけど、これは仕方ない。

でも、私はクラスメイトにも担任も恵まれたと思う。

……女の子たちには睨まれちゃうけどね。



「よし、全員席に着いたな!」



堀江先生の言葉に私はちらりと右隣の席を見る。

やっぱり誰も座らない。

だけど、クラスメイトは全員着席している。

ひとつだけ席が多いってどういうことだろう。

そんな疑問は、このあとすぐに消えた。



「今日は転校生を紹介する!」



堀江先生の言葉に、ざわめく教室。

じゃあ、この隣の席は転校生の席……?



「転校生って女の子かなっ? 男の子かなっ⁉」

「俺、かわいい子がいいなぁ」

「かっこいい男の子がいい!」