正体バラしたらキスするぞ?~悪魔と天使の溺愛は危険がいっぱい~

「彩芽」

「は、はいっ」

「ぷはっ。なんで、そんなに緊張してんだよ」



優磨は私に優しい笑顔を向ける。

その笑顔にきゅんとしてしまう私。

だけど、そんな優磨の背中越しに、私を睨みつけている女子たちが……。

怖いよぉ……。

あの鋭い視線は、いつまで経っても慣れない。



「どうした?」

「いやっ、なにもないよ!」

「そうか? なんかあったら、俺に言えよ」



そう言って優磨が私の頭にぽんっと手を置く。

ぽんぽんと撫でてくれる優しい手に、私はほっとする。

優磨の手だ……。

さっきまでもやもやしていたことが嘘みたいに晴れていく。

優磨の手は、私の心を浄化する力とかあるのかな? って、思うくらい。


大好きな手。大好きな優魔。

いつか、優磨を独り占めしたい……。

なんて、そんな日が来ることなんてあるのかな?



「彩芽の席はどこだった?」

「えっと。まだ探している途中」

「一緒に探そうぜ」

「うんっ!」