*煌人*







思えば俺は、かなり恵まれて生まれた。

顔も頭もスポーツも、やる事すべて人より上をいき、常に目立っていた。

そんな俺を、皆は色眼鏡で見たもんだ。



『君が鳳条グループのご子息か』
『優秀な生徒を持って先生嬉しいわ』
『鳳条~お前の家でゲームさせろよー』



人に頼られるのは嫌いじゃない。

嫌いじゃない。が、少し息苦しい。


皆は俺を見ているようで、しかし、その目に写っているのは「鳳条」の看板だ。

仮面のように皆は同じ笑みを浮かべ、俺に近づいて利用する。

そんな現実を、俺は小さい頃から何度も目の当たりにしてきた。