「え、なんのこと、」

「……こういう事」



意味が分からなくてオドオドしていると、煌人はニヤリと笑って、私を見た。

そして私に伸ばしていた手を、



グイッ



我慢できないように更に伸ばし、私の手を掴む。

そのまま私を引っ張り、二人で教室の中に入ってしまった。



パタンっ



「あ、入っちゃった……」

「……嫌なの?」

「! そういうわけじゃっ、」



嫌とか、そういうのじゃなくて。

単純に、私がドキドキを抑えきれないというか。

これ以上は、もう何だか限界な気がして……。

煌人と一緒にいると、何かがどうにかなっちゃいそうな。そんな胸の高鳴りを、どうしても覚えてしまって。



「戸惑ってるの……」