「変って言うか、もぬけの殻だよね?」

「もぬけの殻……確かに」



煌人は、あの日以来どこかおかしくて。

前は散々に私の後をついてきたり、ちょっかいを出したりしていたのに、今では全然。

まるでケンカしていた時みたいに、私に寄りつかない。



「私なんかしたかなぁ……」

「凛の事を避けてるよね?」

「やっぱり?」

「うん。しかも、すごく気まずそうに避けてる」

「う~ん……」



全然、心当たりがない。

私に非はないと分かっているんだけど、家で煌人から貰ったクッキーを食べる時に、必ず煌人の事を思い出しちゃって……。

ずっとモヤモヤしてる。



――そのクッキーを食べてる間は俺のこと思い出して



「煌人があんなことを言うから……」