ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~


 勢いよく頭を下げたリュカは、ふたたび危うい足取りで階段を登っていってしまう。

 その背中を見送りながら、ルイーズは妙な違和感に首を傾げた。

(リュカと魔王さま、あんま仲よくない?)

 エヴラールは始終リュカに対して厳しい態度を崩さなかった。リュカもそんな父親に対して、ある種の畏怖に似たものを抱いているように見える。

(王さまと王子さまだから、なのかな)

 ちら、とエヴラールを見遣ると、なにかを危惧するような──不安と不満と心配が綯い交ぜにした目で、リュカの去っていった方向を見つめていた。

 それは決して愛のない眼差しには見えなかったが、なんとも言葉に表しようのないざわつきがルイーズの胸の奥にぽとりと残った。