驚いたのか、大げさなくらいビクッと肩を跳ねさせたリュカは、掴まれた手とルイーズを交互に見て恥ずかしそうに顔を俯ける。
あまりにも初々しい反応で、ルイーズは思わずくすっと笑ってしまった。
「よろしくね、リュカ。ルゥって呼んで」
「よ、よろしく……。ルゥ」
初めての友だち作りを成功させ、ルイーズは清々しい気持ちで振り返る。
すると、さきほどまで温かい目で見守っていたグウェナエルとディオンが、なにやらわかりやすく顔を強ばらせて硬直していた。
どうしたのだろうと不思議に思っていると、ひとり颯爽と歩いてきたベアトリスがルイーズのそばに片膝をついてしゃがみこむ。
「お初にお目にかかります、リュカ王子殿下。わたしはルイーズさまにお仕えしているベアトリスと申します。どうか姫さまをよろしくお願いしますね」
女神のような微笑みを向けられ、リュカはこくこくと何度も頷いてみせる。
エヴラールの言葉通り、引っ込み思案な性格ではあるのだろう。
だが裏を返せば、とても素直だとも言える。それに、こういってはなんだが。
(うん。見た目は完全に、おとぎ話の王子さま)
子どもらしく丸みを帯びながらも寸分たがわず整った顔立ちは、すでに甘さすら感じられるほど完成している。
いまからこれなら、きっと将来はとんでもない美男子に成長するにちがいない。
「リュカ、くれぐれも王女殿下に失礼がないように」
「は、はい。父上」
「私たちはこれからいろいろと案内がある。落ち着くまでは部屋に帰っていなさい」
「わかりました。……ええと、では、しつ、失礼します!」



