(血の繋がりとか関係ないのに。ディーだって血縁者ではないけど家族だもん。いっぱい一緒に過ごして、家族になっていくんだもん)
なんと答えたらいいのか迷って、ルイーズはしばし俯いて指を絡め合わせた。
頭で理解してはいても、それを言語化するのはなかなか難しい。五歳児の自分と前世の自分が錯綜して、なにが正しいのかわからなくなってしまう。
──それでも、伝えたいことはちゃんと言葉にして伝えなければならない。
伝えられるうちに。生きているうちに。
「……あのね。ルゥはね、家族がほしいんだ」
「え……?」
「ディーとふたりきりで過ごすのも好きだよ。でも、ママがいなくなって、やっぱりさみしかった。だから、パパに会いに行ったの。家族がほしい、って。ルゥといっしょにいてくれる人がほしいって思ったから」
心を巣食う寂寥感に耐えられなかった。
ルエアーラ幽谷という隔絶された世界だからこそ、孤独は増す。一生こうしてふたりきりなのかと思ったら、ディオンには申し訳ないが怖かった。
もしもこのまま、いつか〝前世の記憶〟が完全に消える日が来てしまったら。
そう思うと、恐ろしくてたまらなくて。
(だって、そうなったらきっと、ルゥは一生ディーとふたりきりでいいって思っちゃうから。そんなのもったいない。せっかく生きてるのに、悲しいよ)
だから、外の世界に出る決意をした。
孤独を孤独として感じ取れなくなってしまう前に、イチかバチか行動に出た。
「おねえさんはね、ルゥがママとディー以外で初めて会った人なの」
「っ……!」



