この世界において、グウェナエルやルイーズは罪を背負う者だ。いつだって追われる身であるし、なんらかの形でグウェナエルの封印が解けたことが知られれば、リグアーナ教会とやらに見つかり処される可能性も一段と上がるだろう。
「ちゃんと、わかるよ。わかるけど……」
初めて家族以外で出会った人。助けたいと思った人。
まだ出会って間もないけれど、ルイーズはベアトリスが大好きだった。
そんな相手にこうも理不尽な選択を与えてしまうことが、ルイーズとしては受け入れられない。ならばいっそ、ここでお別れした方がいいような気もする。
だが、そんなルイーズの答えの出ない複雑な心境を悟ったのか、「ルイーズさま」と呼んだベアトリスは存外優しい表情をしていた。
「どうかそんなお顔をなさらないでください」
「え……?」
「問われずとも、わたしはルイーズさまに付いていきますよ。たとえ悪魔の地であろうが、地獄の果てであろうが、あなたの行く場所ならばどこへだって」
ルイーズはいまいち呑み込めないまま、彼女と視線を絡め合わせる。
「共に背負うもなにも、わたしはもとより〝罪人〟ですからね。仮に人里に降りたところで、わたしは追われる身。この世界では、すでに処刑され〝亡きものになった〟はずの者ですから、どこにも居場所などありません。もはや人として生きる道など残されてはいないのです」
ベアトリスは苦笑しながら告げて、しかしすぐに表情を引きしめた。
ルイーズはごくりと息を呑み、ベアトリスの言葉に耳をかたむける。



