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転移直後。誰よりも先にエヴラールが地面を蹴り、飛び出した。
その先には、ジルダ湖の畔でなにかを懸命に拾っているリュカの姿がある。
「リュカ!!」
「っ、父上……!?」
風のように空気を切り、あっという間にリュカの元へ追いついたエヴラール。服の裾が土に汚れるのも構わず地に膝をついた彼は、リュカの両肩を掴むと声を荒げた。
「怪我は!? 湖の水には触れていないだろうな!?」
「えっ、あ、ありませんっ。み、水も、触ってないです……っ」
森を降りてきたからだろうか。リュカの服や顔には土汚れがついていた。怪我はないと言っているが、膝下あたりのひどい汚れを見る限り、きっと転んだのだろう。



